ひとり楽しみ 重松清さんが好き

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ひとり楽しみ 重松清さんが好き

重松清さん 緻密に描かれた世代による繊細な感情

1963年岡山県で生まれた重松清さんは、早稲田大学教育学部卒。 出版社勤務を経ての作家活動です。
重松清さんは、1999年「ナイフ」で第14回坪田譲治文学賞、 「エイジ」で第12回山本周五郎賞。 2001年「ビタミンF」で第124回直木賞を受賞されています。
直木賞受賞作だからというわけではないのですが、 私のお勧めは【ビタミンF】です。

この「ビタミン」は体ではなく心に効く栄養素です。 疲れた時に、迷いのある時に取ると(読むと)元気になります。

いつの間にか「昔」とか「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった38歳。
中学一年生の息子とどうコミュニケーションをとっていいのか分からない、 妻の入院中、どう過ごせばいいのか分からない40歳。
「離婚してもいいけど」、妻にそう呟かれてしまった36歳。
若さという「輝き」を失い、 人生の「中途半端」な時期に差し掛かった人たちに贈るエールです。

私自身が主人公と同世代だからというのはあるかと思いますが、 とにかく「共感」の一言につきます。
生きることに一生懸命だったし、その成果にも満足しているはずなのに、 ふと振り返った時に 「自分の人生はこれでいいのか?こんなものなのか?」と感じる不安。 誰にでもあることだと思います。

どの短編も、決してハッピーエンドではありません。 けれど、ほんのちょっぴりだけ、希望の感じられるような結末を迎える。 そんな主人公達の姿に、勇気付けられ励まされ、 「また、がんばってみるか・・」と思えるようになる作品たちです。

文章がすっと体に染み渡るのは、 難しい言い回しや喩えはほとんど使われず、 日常よく目にするありふれた言葉で紡がれているからだと思います。

誰にでも降りかかる可能性があり且つ解決が難しい問題ばかりだからこそ、 多くの共感を呼ぶ一冊なのではないかと思いました。


他にもお勧め「重松清」

カカシの夏休み

中学卒業と同時に故郷の村はダムに沈み、ばらばらになった同級生たちが22年後に再会する。 それぞれに抱えるものがあり、逃げ道のない、そんな彼らのささやかな「夏休み」とは・・・。
かつてその髪型から「ライオン先生」とあだ名された高校教師。 だが彼の髪はカツラ・・・。 自殺したクラスメイトの遺書に、 いじめの加害者として名前が書かれていたために、 非難の矢面に立たされた中学生の弟と両親・・・。
今の世の中が抱える、仕事、不況、家族、親子、いじめ、自殺・・・など。
あまりにも問題が身近すぎるせいか、とにかく読むのがツライです。 けれど、「逃げてはいけない」「目をそらしてはいけない」というのが、 作者のメッセージなのではないかと思い、最後まで読み終えました。
この作品に登場する人たちが、
せめて少しでもいいから「幸せだな。」と感じられるようになればいいと祈りながら・・・。

ナイフ

「いじめ」や「家族」をテーマとした5つの短編が収められています。 まさに胸にナイフを突きつけられたよう・・・
今まで知らずに済んでいたことを、知らずに済まそうとしていたことを、 目の前に突きつけられたような感覚です。 テーマは重くて暗いけど、それでも「闘う」登場人物の姿は、 涙なしには読めません。
私たちが子供の頃にもいじめはありましたが、 いじめがゲームと化し、全員がそれに参加してしまうことに底知れぬ恐ろしさを感じます。 いじめという社会問題から目を逸らさない為にも、必読の一冊です!

エイジ

主人公エイジは中学2年生。 高校教師の父親と専業主婦の母親、高校生の姉を持つ、 ごくごく普通の家庭環境の中で生活しています。
そんな中、エイジの住む桜ヶ丘ニュータウンに通り魔事件が起きます。
捕まった犯人はエイジの目立たないクラスメイト。 その事件をきっかけに、なんとなくクラスメイトのそれぞれに変化が生じます。 大人が考える「いい子」でいることがカッコ悪いと思う一方、 悪にもなりきれない中学生たちたちの、なんとかバランスを維持しているという危うさが、 読んでいてとても懐かしく感じられます。
重松ファンなら読んでおきたい作品です。

あり?
独断と偏見で「お勧め」を選んだつもりなのに、 結果受賞作品を並べることになってしまった・・・
ミーハーだなぁ〜私ってば。

浅田次郎さん

清水義範さん

東野圭吾さん

1年に一度は読んでしまうノルウェイの森

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